日本はこれまで3回(1954年、1962年、2012年)国際司法裁判所に竹島紛争を付託する事を韓国に提案しているが、いずれの場合も韓国政府が拒否し、現在に至っている。国際司法裁判所などの国際調停機関は紛争当事国両方が同意しないと裁判に進まないため、韓国が拒否をし続ける限り裁判手続に入らない。
竹島近海には海洋生物資源、海底鉱物資源が豊富に存在すると言われている。最近の韓国の調査では年間8600億円ほどの価値が存在するとされており、その90%が海底鉱物資源によるものである。海洋生物資源については1999年に新日韓漁業協定が締結され、竹島付近の暫定水域(境界線が確定していない水域)で日韓両国の漁船が漁業を行っている。[1]
2012年8月に韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島に上陸した。歴代韓国大統領は日韓関係にある程度配慮していた為上陸を自粛していたので、今回が国家元首による初めての上陸となった。韓国では称賛されたものの、日本では厳しく批判され、対抗措置を求める声も大きい。
竹島の領有権に関する日韓両国の主張は非常に複雑である。紛争は江戸時代まで遡りGHQによる戦後日本統治とサンフランシスコ講和条約における戦後処理とも密接な関係がある。
江戸時代には竹島と隣の島のウルルン島付近で日韓の漁業をめぐっての衝突があり、幕府はウルルン島へ近づく事を禁止したものの、同様の措置を竹島に対しては取っていない。
第二次世界大戦直後のGHQ統治では、日本漁船は竹島の12海里以内への立ち入りは禁止されていた。しかし1947年に外務省が発表した竹島の領有権の主張が米国務省に受け入れられ、サンフランシスコ講和条約で日本が放棄すべき領土に竹島は含まれていなかった。また、韓国がこれに対して抗議し竹島を放棄すべき領土に含むように要請した際、米国は竹島に対して韓国の主権が及んでいるとは考えていない、と答えた。[2]その後1952年米国空軍が爆撃訓練に竹島を使用したいと日本に申請したことから、米国は当時竹島が日本の領土だったと認識していたと思われる。
1952年に韓国の李承晩(イ・スンマン)大統領が「海洋主権宣言」を行うとともに、「李承晩ライン」を設定した。李承晩ラインは日本海に韓国が一方的に引いた軍事境界線であり、このラインの中に竹島も含まれた。李承晩は竹島を占領し、それ以降灯台の設置、警備隊の常駐など実効支配を強め現在に至る。[3]
現在米国は竹島問題に関しては非介入の立場を貫いている。これは日韓両国に米軍が存在している、北朝鮮などを抑えこむためには日韓両国の協力が必要となるので片方の支持を損なう事を恐れているからだと考えられる。
一方で竹島の領有権問題が日韓関係全体に悪影響を及ぼし始めている。野田政権は李明博大統領の竹島上陸及びその後の「天皇謝罪発言」を受けて、日韓通貨スワップの延長を白紙撤回した。韓国は日本の貿易相手、また日本の資金の投資先として急激に伸びている[4]為、この様に経済面での対抗措置は日韓両国の首を締める事態になりかねない。
また、北朝鮮問題、拉致被害者救出など日本が抱えている問題で韓国の協力が不可欠なものがいくつも存在する。隣国とどのような距離を保っていくのかが、今後の焦点となる。
韓国の竹島占拠を不法と明確に位置づける、対抗措置を取り国際的に対立路線を取るなど現在よりも対応を強化する主張を持つ。
貿易悪化を憂慮し、冷静な対応を呼びかける一方、国際司法裁判所など第三者機関へ引き続きはたらきかけていくという主張を持つグループ。
日本はまず韓国併合について謝罪した後、竹島の領有権をめぐって話し合うという主張を持つグループ。
韓国と日本が竹島の領有権を共有し、資源などを共同管理する事を主張しているグループ。